六カ国語で言える!「どうぞ・ありがとう・どういたしまして・すみません」実践フレーズ集

海外出張や旅行で一番存在感を発揮するのは、長いビジネス英語でも複雑な文法でもなく、「どうぞ」「どうもありがとう」「どういたしまして」「すみません(陳謝)」といった“礼儀フレーズ”です。
これらは短くシンプルですが、相手に与える印象、距離感、会話の進み方を大きく左右する、いわばコミュニケーションの「潤滑油」のような存在です。
特に海外では、「ありがとう」一つで空気が和み、「どうぞ」の一言でスムーズに場が進み、「すみません」が適切に言えるとトラブルを回避しやすくなります。反対に、こうした礼儀フレーズを使い慣れていないと、相手の好意を受け取り損ねたり、無意識のうちに冷たく聞こえてしまったりすることもあります。

僕も、ヨーロッパのレストランで席を案内されて「Please?」と言われたとき、「あれ、これ“どうぞこちらへ”って意味だったのか…」と少し戸惑った経験があります。
六カ国語では「どうぞ」「ありがとう」「どういたしまして」「すみません(陳謝)」がそれぞれ文化を反映した独特の言い方になっており、直訳すると誤解されるものもあります。
英語の「Please」は“どうぞ”であると同時に“〜してください”の依頼表現にもなりますし、イタリア語の「Prego」は「どういたしまして」であり「どうぞ」にも使える万能語。ドイツ語の「Bitte」は“お願いします”“どういたしまして”“どうぞ”の三役をこなす、個性的な言葉です。
この記事では、「どうぞ」「どうもありがとう」「どういたしまして」「すみません(陳謝)」という四つの礼儀フレーズを六カ国語(英語・スペイン語・フランス語・ドイツ語・イタリア語)でどう使うのか、どんな場面で自然に聞こえるのかを徹底的に解説します。
さらに、出張サラリーマンが必ず遭遇するホテル・レストラン・現地オフィスの三つのシーンをもとに、実際の会話の流れをフィクションとして再現しました。
読み終わる頃には、海外での礼儀フレーズに対する不安がぐっと減り、言語を越えたコミュニケーションのコツが掴めるはずです。
この記事でわかること
- 六カ国語で「どうぞ」「どうもありがとう」「どういたしまして」「すみません」を自然に使えるようになる
- 英・西・仏・独・伊の文化差やニュアンスを理解できる
- 出張先のホテル・レストラン・オフィスでの実践的な会話例が学べる
- 今日からできる礼儀フレーズ練習法がわかる
六カ国語フレーズのまとめ
意味:どうぞ
- 日本語 :どうぞ(ドウゾ)
- 英語 :Please.(プリーズ)
- スペイン語:Por favor.(ポル ファボール)
- フランス語:S’il vous plaît.(シル ヴ プレ)
- ドイツ語 :Bitte.(ビッテ)
- イタリア語:Prego.(プレーゴ)
意味:どうもありがとう
- 日本語 :どうもありがとう(ドウモ アリガトウ)
- 英語 :Thank you very much.(サンキュー ベリーマッチ)
- スペイン語:Muchas gracias.(ムーチャス グラシアス)
- フランス語:Merci beaucoup.(メルシー ボクー)
- ドイツ語 :Vielen Dank.(フィーレン ダンク)
- イタリア語:Grazie mille.(グラツィエ ミッレ)
意味:どういたしまして
- 日本語 :どういたしまして(ドウイタシマシテ)
- 英語 :You’re welcome.(ユア ウェルカム)
- スペイン語:De nada.(デ ナダ)
- フランス語:Je vous en prie.(ジュ ヴ ザン プリ)
- ドイツ語 :Bitte.(ビッテ)
- イタリア語:Prego.(プレーゴ)
意味:すみません(陳謝)
- 日本語 :すみません(スミマセン)
- 英語 :I’m sorry.(アイム ソーリー)
- スペイン語:Perdón.(ペルドン)
- フランス語:Pardon.(パルドン)
- ドイツ語 :Es tut mir leid.(エス トゥート ミア ライト)
- イタリア語:Mi dispiace.(ミ ディスピアーチェ)
フレーズごとの使い方とニュアンス
どうぞ:相手を招く“入口の言葉”
「どうぞ」は物を渡すとき、案内するとき、促すときなど幅広く使える便利な言葉です。
英語の「Please.」は“どうぞ”に相当しますが、依頼にもなるため文脈が重要です。
実際の“どうぞ”は「Here you are.」「Go ahead.」などで表現することも多いです。
- スペイン語「Por favor」は“お願いします”の意味が強く、場面によっては依頼にもなります。
- フランス語「S’il vous plaît」は丁寧で、大人同士の会話でよく使われます。
- ドイツ語「Bitte」は“どうぞ”“はいどうぞ”という場面で多用され、
- イタリア語「Prego」は差し出すときや方向を示すときに自然に出てきます。
いずれの言語でも、“相手を通す柔らかい合図”として非常に重要な存在です。
どうもありがとう:強めの感謝をしっかり伝える表現
「どうもありがとう」は、日本語で少し丁寧に感謝を伝えたいときに使います。
- 英語「Thank you very much.」
- スペイン語「Muchas gracias」
- フランス語「Merci beaucoup」
- ドイツ語「Vielen Dank」
- イタリア語「Grazie mille」
はいずれも“強いありがとう”で、丁寧に感謝を返すのに最適です。
こうした強調形はホテルやオフィスのサポートスタッフに対して特に有効で、丁寧さと感謝がセットで伝わります。気持ちよく仕事をしてもらうための“投資”的な言葉としても使えます。
どういたしまして:距離を縮めるスマートな返し
「どういたしまして」は感謝を受けたあとに返す言葉で、「あなたのためにするのは当然ですよ」という控えめなニュアンスも含んでいます。
- 英語「You’re welcome.」
- スペイン語「De nada」
- フランス語「Je vous en prie」
- イタリア語「Prego」
はいずれも柔らかく好印象。
特にドイツ語の「Bitte」は「どうぞ」「お願いします」「どういたしまして」が全て同じ単語で表現される面白い特徴があります。
文脈が非常に重要ですが、慣れてくるとこのシンプルさが逆に心地よく感じられるようになります。
すみません(陳謝):気まずさをほぐす繊細な一言
「すみません」は日本語では“謝罪・呼びかけ・感謝”の三役ですが、今回扱うのは“謝罪”の意味です。
- 英語で謝るときは「I’m sorry.」
- スペイン語は「Perdón」、
- フランス語では「Pardon」
- ドイツ語は少し重めの謝罪表現「Es tut mir leid」
- イタリア語は「Mi dispiace」
が基本です。
海外では“謝罪と言い訳のバランス”がとても重要で、「I’m sorry, I was confused.」「Perdón, no me di cuenta.(すみません、気づきませんでした)」など、軽く理由を添えるとより自然になります。
出張サラリーマンのシーン別会話例
シーン1:ホテルの受付で礼儀フレーズを使いこなす(フィクション)
ホテルは国籍が混ざりやすい場所で、礼儀フレーズが飛び交う環境です。
【会話例】
スタッフ(英語):「Here is your key, please.」
あなた:「Thank you very much.」
スタッフ(ドイツ語):「Bitte, the elevator is on the right.」
あなた:「Danke!」
フランス語圏のホテルでは、
スタッフ:「S’il vous plaît, sign here.」
あなた:「Merci beaucoup.」
最後にイタリア人スタッフが荷物を運んでくれたときに、
スタッフ:「Prego!」
あなた:「Grazie mille!」
と返すと、驚くほど満面の笑みで返してくれます。
言語で“相手のホーム”に寄せる一言は、思った以上に破壊力があります。
シーン2:レストランで気持ちよくサービスを受ける(フィクション)
レストランは“ありがとう”と“どうぞ”の応酬が続く場です。
【会話例】
店員(スペイン語):「Por favor, sígame.(どうぞ、こちらへ)」
あなた:「Muchas gracias.」
料理が届いたタイミングでは、
店員(フランス語):「Voilà, monsieur.」
あなた:「Merci beaucoup!」
飲み物をこぼしてしまい、スタッフに声をかけるときは、
あなた(英語):「I’m sorry, I spilled a little.」
店員:「No problem at all!」
イタリア語圏のレストランだと、支払い時にレシートを渡されるタイミングで
店員:「Prego.(どうぞ)」
あなた:「Grazie mille!」
と返すと場がとても和みます。
単なる“礼儀”以上に、会話全体がスムーズになる効果があります。
シーン3:現地オフィスで丁寧にコミュニケーション(フィクション)
オフィスでは、謝罪・感謝・譲り合いの場面が頻繁に訪れます。
【会話例】
あなた(英語):「Excuse me, but I’m sorry for the mistake earlier.」
同僚(英語):「No worries. Here you are, the updated file.」
あなた:「Thank you very much!」
ドイツ人同僚:「Ich habe Ihnen die Daten geschickt.(データを送りました)」
あなた:「Vielen Dank!」
フランス人同僚:「Je vous en prie, it was no trouble.(どういたしまして)」
イタリア人同僚が資料を手渡してくれたときは、
同僚:「Prego.」
あなた:「Grazie mille!」
こうした“気持ちの良いやり取り”が積み重なることで、文化の違いを越えた信頼関係が生まれます。
実践アクション:今日からできる練習法
① 「短い礼儀フレーズの音読」
通勤の5分で「Please」「Por favor」「Merci」「Prego」などを口に出すだけで効果があります。
② 「感謝の強調形」をセットで覚える
Thank you very much/Muchas gracias/Merci beaucoup/Vielen Dank/Grazie mille
これらを“セット”で覚えると、場面に応じた丁寧さの調整がスムーズです。
③ 「どういたしまして」強化トレーニング
You’re welcome/De nada/Je vous en prie/Prego などを繰り返して言うだけで、自然に返しやすくなります。
④ ミニ謝罪フレーズ練習
I’m sorry/Perdón/Pardon/Es tut mir leid/Mi dispiace
“すみません(陳謝)”がスッと出ると、海外での安心感が段違いです。
まとめ(学びの振り返り)
「どうぞ」「どうもありがとう」「どういたしまして」「すみません(陳謝)」は短いながらも、海外でのコミュニケーションの質を大きく左右する重要なフレーズです。
これらを六カ国語で自然に言えるだけで、ホテル・レストラン・オフィスのあらゆるシーンで気持ち良く対応でき、相手からも好印象を持ってもらえます。

大切なのは、完璧な発音ではなく“気持ちの良い一言”として口に出すこと。
丁寧なフレーズは、言語を越えて相手に伝わる“礼儀の共通ルール”です。
次の出張ではぜひ、この記事のフレーズを使ってみてください。場の空気が驚くほど変わるはずです。
ライター紹介Writer introduction
Tatsu / タツ 男性
海外出張歴そこそこ、語学力は“必要な分だけ頑張る派”の40代サラリーマンです。旅先でよく固まってしまう「え、これ何て言うんだっけ?」を解決するために、このブログを作りました。空港・ホテル・レストランなど、よくある場面のフレーズを 6か国語でサクッと比較 できる便利帳を目指しています。失敗談も多めですが、実体験ベースで“通じるコツ”をお届けします。



