六カ国語で言える「いりません」「わかりません」「日本語話せますか?」

海外に出ると、「とりあえずニコニコしておけばなんとかなるでしょ」と思いがちですが、実際にはちゃんと断ったり、「すみません、わかりません」と言えた方がトラブルは減ります。
客引きにしつこく声をかけられたとき、レストランでよくわからない追加料金をすすめられたとき、あるいは相手の説明が早すぎて理解が追いつかないとき。

そんな場面でモゴモゴしていると、相手も「あれ、この人いけるのかな?」と押し込んでくることがあります。
この記事では、そんなときに役立つ三つのフレーズ――「いや、いりません」「わかりません」「日本語を話せる人がおりますか」を、六カ国語でまとめて解説します。
しっかり断りつつも失礼にならない言い方、聞き取れなかったときのスマートな伝え方、そして最後の切り札としての「日本語話せる人いますか?」まで、出張サラリーマン目線で整理しました。
この記事でわかること
- 「いりません」「わかりません」「日本語話せますか?」を六カ国語で言う方法
- しつこい勧誘をやんわり断るコツと、失礼にならない言い回し
- 相手の説明が聞き取れないときの上手なリアクション
- どうしても困ったときに「日本語話者」を見つけるフレーズ
六カ国語フレーズのまとめ
意味:いや、いりません(ていねいな断り)
- 日本語 :いや、いりません(イヤ、 イリマセン)
- 英語 :No, thank you.(ノー サンキュー)
- スペイン語:No, gracias.(ノー グラシアス)
- フランス語:Non merci.(ノン メルスィ)
- ドイツ語 :Nein, danke.(ナイン ダンケ)
- イタリア語:No, grazie.(ノー グラツィエ)
意味:わかりません(理解していない)
- 日本語 :わかりません(ワカリマセン)
- 英語 :I don’t understand.(アイ ドウント アンダスタンド)
- スペイン語:No entiendo.(ノー エンティエンド)
- フランス語:Je ne comprends pas.(ジュ ヌ コンプラン パ)
- ドイツ語 :Ich verstehe nicht.(イッヒ フェアシュティーエ ニヒト)
- イタリア語:No, non capisco.(ノ ノン カピスコ)
意味:日本語を話せる人がおりますか
- 日本語 :日本語を話せる人がおりますか(ニホンゴ ヲ ハナセル ヒト ガ オリマスカ)
- 英語 :Is there anyone here who can speak Japanese?(イズゼア エニワン ヒア フー キャン スピーク ジャパニーズ)
- スペイン語:¿Hay aquí alguien que pueda hablar japonés?(アイ アキ アルギエン ケ プエダ アブラール ハポネス)
- フランス語:Est-ce qu’il y a quelqu’un qui parle japonais ?(エス キリ ヤ ケルカン キ パルル ジャポネ)
- ドイツ語 :Ist hier jemand, der Japanisch spricht?(イスト ヒア イエーマント デア ヤパーニッシュ シュプリヒト)
- イタリア語:C’è qualcuno qui che parla giapponese?(チェ クワルクーノ クィ ケ パルラ ジャッポネーゼ)
フレーズごとの使い方とニュアンス
フレーズA(いや、いりません:やんわり断る)
日本語の「いや、いりません」は、少し柔らかく断るときの定番フレーズです。
英語でも “No, thank you.” と “thank you” を付けることで、単なる “No.” よりも角が立たない言い方になります。
- スペイン語 “No, gracias.”
- フランス語 “Non merci.”
- ドイツ語 “Nein, danke.”
- イタリア語 “No, grazie.”
も同じ構造で、「いいえ、ありがとう」というニュアンスです。
発音のコツとしては、
- 英語の “No” は「ノー」より少し口をすぼめて「ノゥ」に近く。
- スペイン語 “gracias” は「グラシアス」とサ行寄りの音になります。
- フランス語 “merci” の「メルスィ」は語尾を強く伸ばさず軽めに。
- ドイツ語 “Nein” は「ナイン」とはっきり二拍。
- イタリア語 “grazie” は「グラツィエ」とツィの部分を意識するとそれっぽく聞こえます。
フレーズB(わかりません:理解していないと伝える)
相手の話すスピードが速すぎたり、専門用語だらけで理解できないとき、「適当に笑ってごまかす」よりも、ちゃんと「わかりません」と言った方がお互いのためです。
- 英語の “I don’t understand.” はストレートな表現ですが、表情を柔らかくすれば失礼にはなりません。
- スペイン語 “No entiendo.” も日常的によく使われます。
- フランス語 “Je ne comprends pas.” は「私は理解していません」という意味で、軽く肩をすくめながら言うと「ごめん、ついていけてないです」という雰囲気になります。
- ドイツ語 “Ich verstehe nicht.” は語末の “nicht” を「ニヒト」とはっきり言うのがポイント。
- イタリア語 “No, non capisco.” は「いいえ、わかりません」というニュアンスで、相手にもう一度ゆっくり説明してもらうきっかけになります。
フレーズC(日本語を話せる人はいますか?:最後の切り札)
どうしても意思疎通が難しいときの最後の切り札が「日本語を話せる人はいますか?」です。
- 英語の “Is there anyone here who can speak Japanese?” は長く感じますが、「イズゼア エニワン ヒア/フー キャン スピーク ジャパニーズ」と三つか四つのかたまりで区切って練習すると言いやすくなります。
- スペイン語の “¿Hay aquí alguien que pueda hablar japonés?” は、「アイ アキ アルギエン ケ プエダ アブラール ハポネス」とリズムよく。
- フランス語 “Est-ce qu’il y a quelqu’un qui parle japonais ?” は、早口で一気に言われがちですが、学習者がゆっくり発音しても問題ありません。
- ドイツ語 “Ist hier jemand, der Japanisch spricht?” は最初の “Ist hier jemand”(ここに誰かいますか)と “Japanisch spricht”(日本語を話す)に分けて覚えると便利。
- イタリア語 “C’è qualcuno qui che parla giapponese?” も同じく、「チェ クワルクーノ クィ ケ パルラ/ジャッポネーゼ」と区切って練習しましょう。
出張サラリーマンのシーン別会話例
シーン1:しつこい客引きを断る
出張で観光地近くのホテルに泊まると、夜に散歩するだけで客引きに声をかけられることがあります。
もちろん危険な場面では近づかないのが大前提ですが、軽い勧誘程度であれば、丁寧に断ってその場を離れるだけで十分です。
あなたがスペインの旧市街を歩いていると、レストランの客引きが笑顔で近づいてきます。
“Amigo, dinner? Very good paella!” と腕を掴まれそうな勢いで迫ってくる…(※よくあるフィクションです)。
そんな時、軽く手を上げて落ち着いて一言。
- スペイン語:“No, gracias.”(ノー グラシアス)
- 英語:“No, thank you.”

語尾に “gracias / thank you” を付けることで、敵意を感じさせず、自然と引いてくれます。
むしろ“ただの観光客の断り方”として相手も慣れています。
強く否定したり、無視したりするより、はるかに平和的に切り抜けられます。
シーン2:説明が早すぎて理解できない

空港でSIMカードを買うときや、ホテルのチェックイン中に、説明が早すぎてついていけないことがありますよね…。
相手も仕事で淡々と説明しているだけなので、遠慮せずに「わかりません」を伝えたほうが、結果としてスムーズになります。
ここでは、フランスのホテルでチェックインしているときの例を見てみます。
スタッフが早口で “Le petit-déjeuner est servi de six heures à dix heures, et la carte pour le wifi est…” と説明し始め、あなたの理解が追いつかない状況。
そんなとき、微笑みながら肩を軽くすくめて次の一言。
- フランス語:“Je ne comprends pas.”(ジュ ヌ コンプラン パ)
- 英語:“I don’t understand.”
このフレーズには「もう一度ゆっくりお願いします」というニュアンスが自然に含まれています。
相手も察して、たいていはスピードを落とすか、書いてくれたりします。
むしろ、曖昧に笑うだけだと誤解を生むので、正直に伝えるほうが親切なんです。
シーン3:どうしても通じないので日本語話者を探す

海外でのトラブルや、書類の手続きで「これはさすがに説明が難しい…!」という瞬間はあります。
そんなときは、第三者に助けを求めるのが最も安全です。
ここではドイツの駅での例を紹介します。
あなたが切符の払い戻しをお願いしようとしているものの、手続きが複雑でうまく説明できない。
スタッフも英語がそこまで得意ではない様子で、会話がかみ合わないという状況です。
そんなとき、落ち着いて次のように尋ねます。
- ドイツ語:“Ist hier jemand, der Japanisch spricht?”(イスト ヒア イエーマント デア ヤパーニッシュ シュプリヒト)
- 英語:“Is there anyone here who can speak Japanese?”
相手が日本語話者を探してくれることもありますし、近くの旅行者が助けてくれる場合もあります。
もちろん見つからないこともありますが、この一言があるだけで状況は格段に改善します。
実践アクション:今日からできる練習法
今回紹介した三つのフレーズは、すべて短く、しかも海外で非常に出番が多いものばかりです。
日常生活の中で、小さく口に出して練習できるのが強みです。
例えば、家で不要な広告を受け取ったときに “No, thank you.” と言ってみたり、難しい資料を見て理解できないときに “I don’t understand.” とつぶやいてみるなど、生活に取り入れることが可能です。
また、六カ国語すべてをいきなり覚える必要はありません。
最初は「日本語 → 英語 → 現地語」の順で録音し、自分の声でローテーション再生するのが効果的。
耳が音に慣れ、次第に口が自然に動くようになります。

さらにおすすめなのは、「相手の早口に追いつけないときの顔の作り方」も合わせて練習すること。
軽く眉を下げる、口角を少し上げるだけで、相手は「わかっていないんだ」と察しやすくなり、ゆっくり話してくれます。
まとめ(学びの振り返り)
「いりません」「わかりません」「日本語話せる人はいますか?」は、海外でのコミュニケーションを守るための“防御力アップ系フレーズ”です。
やんわり断る、理解できないと伝える、助けを求める──この三つができるだけで、旅や出張先での不安は大きく減ります。
特に六カ国語での断り方は、語尾の付け方や丁寧表現が似ているため、一度覚えてしまえば応用も簡単です。
今日紹介したフレーズを毎日の生活の中で少しずつ声に出して、海外でも落ち着いて対応できる自分を作っていきましょう。
ライター紹介Writer introduction
Tatsu / タツ 男性
海外出張歴そこそこ、語学力は“必要な分だけ頑張る派”の40代サラリーマンです。旅先でよく固まってしまう「え、これ何て言うんだっけ?」を解決するために、このブログを作りました。空港・ホテル・レストランなど、よくある場面のフレーズを 6か国語でサクッと比較 できる便利帳を目指しています。失敗談も多めですが、実体験ベースで“通じるコツ”をお届けします。



