海外レストランで役立つ「味付け・調理リクエスト」フレーズを六カ国語で紹介

海外レストランで意外と迷いやすいのが、味付け・焼き加減・調理に関するリクエストです。
- 塩や胡椒を頼みたい
- ステーキの焼き加減を細かく伝えたい
- 料理が出るタイミングを確認したい
——こうした場面は想像以上に多く、スムーズに伝えられるかどうかで食事の満足度が大きく変わります。
今回扱う3つのフレーズはどれも短いものですが、実は国と言語によって丁寧さの基準や言い回しが大きく異なるジャンルです。
依頼を強く聞こえさせない言い方、店側の文化的背景を踏まえた表現など、六カ国語を並べて比較すると細かな違いがよく見えてきます。

以前に私もですが…、出張先でステーキを頼んだものの焼き加減の言い方が分からず、意図しない“ほぼレア”が出てきて慌てたことがあります
逆に、丁寧な言い方を少し知っているだけでスムーズに伝わり、食事が一層楽しくなると実感しています。
塩や胡椒を頼むだけでも、言い方一つで柔らかい印象になります。
六カ国語で比較しておくと「押しが強すぎる言い方」を避けられるので安心です。
今回取り上げるのは次の3つです。
- 塩(胡椒)をください
- よく/中くらい/レアで焼いてください
- すぐできますか
この記事でわかること
- 味付け・焼き加減・調理依頼の六カ国語比較
- 依頼表現の丁寧さ・ニュアンスの違い
- 実際のレストランで使えるフレーズの応用
六カ国語フレーズのまとめ
意味:塩(胡椒)をください
- 日本語 :シオ(コショウ) ヲ クダサイ
- 英語 :Please give me some salt (pepper).(プリーズ ギヴ ミー サム ソルト/ペッパー)
- スペイン語:Por favor, deme sal (pimienta).(ポル ファボール デメ サル/ピミエンタ)
- フランス語:Apportez-moi du sel (du poivre), s’il vous plaît.(アポルテ モワ デュ セル/デュ ポワーヴル シルヴプレ)
- ドイツ語 :Bitte geben Sie mir Salz (Pfeffer).(ビッテ ゲーベン ズィ ミア ザルツ/フェファー)
- イタリア語:Mi porti del sale (del pepe).(ミ ポルティ デル サーレ/デル ペーペ)
意味:よく/中くらい/レアで焼いてください
- 日本語 :ヨク/チュウクライ/レア デ ヤイテ クダサイ
- 英語 :Well-done / Medium / Rare, please.(ウェルダン/ミディアム/レア)
- スペイン語:Bien hecho / Medio / Poco hecho, por favor.(ビエン エチョ/メディオ/ポコ エチョ)
- フランス語:Bien cuit / À point / Saignant, s’il vous plaît.(ビアン キュイ/ア ポワン/セニョン)
- ドイツ語 :Durch / Medium / Englisch, bitte.(ドゥルヒ/メディウム/エングリッシュ)
- イタリア語:Ben cotto / Cottura media / Al sangue, per favore.(ベン コット/コットゥーラ メーディア/アル サングエ)
意味:すぐできますか
- 日本語 :スグ デキマスカ
- 英語 :Can you make it quickly?(キャン ユー メイク イット クイックリー)
- スペイン語:¿Puede hacerlo rápido?(プエデ アセールロ ラピド)
- フランス語:Pouvez-vous le préparer rapidement ?(プヴェ ヴ ル プレパレ ラピッドマン)
- ドイツ語 :Geht es schnell?(ゲート エス シュネル)
- イタリア語:Si può fare in fretta?(スィ プオ ファーレ イン フレッタ)
フレーズごとの使い方とニュアンス
「塩(胡椒)をください」:控えめに頼むのが自然
英語の “some salt” の some は「少しだけ・控えめに」という柔らかいニュアンスを出し、依頼の圧を下げる効果があります。
スペイン語・フランス語・イタリア語でも「del / du / un poco」など量をぼかす表現がよく使われます。
ドイツ語は直訳するとややストレートですが、店側の文化として「必要な調味料を頼むのは普通」という前提があるため問題ありません。
六カ国語に共通するのは、いずれも命令口調より依頼形が自然ということです。

以前にヨーロッパで胡椒をお願いしたとき、丁寧にミルを持ってきてその場で挽いてくれる店が多く、コミュニケーションのきっかけにもなりました。
「よく/中くらい/レアで焼いてください」:国によって指標が異なる“奥の深い表現”
日本でもおなじみの “Well-done / Medium / Rare” は海外でも広く通じますが、国によって焼き加減の基準が異なることは知っておきたいポイントです。
特にフランス語の à point(中程度) や saignant(かなりレア寄り) は、日本の感覚と少しズレがあります。
スペイン語の “poco hecho(やや生に近い)” や、ドイツ語の “englisch(非常にレア)” など独特の言い方も存在します。
イタリア語 “al sangue” は直訳すると「血がある状態」で、強めのレアを指します。
出張中に私も “medium” を頼んだつもりが「思ったよりレアだな…」という経験があります。
六カ国語での違いを知っておくと、こうしたズレを避けられます。
「すぐできますか」:急いでいる時こそ丁寧に聞くのがコツ
英語の “quickly” は悪い意味ではありませんが、場合によってはせかしている印象を与えることがあります。
- スペイン語・フランス語では「できますか?」と可能性を尋ねる形にすることで柔らかい依頼になります。
- ドイツ語 “Geht es schnell?” は直訳すると「早くできますか?」ですが、日常会話ではごく一般的。
- イタリア語 “in fretta” は「急いでいる感じ」を出しますが、語調を柔らかくすると圧が弱まります。
急いでいるときほど強い口調になるのを避けるため、六カ国語のニュアンスを理解しておくと安心です。
出張サラリーマンのシーン別会話例
シーン1:食事中に塩や胡椒を少し追加したいとき
海外のレストランでは、塩や胡椒がテーブルに置かれていない場合もしばしばあります。
特にヨーロッパのレストランでは、「シェフの味付けを尊重する」という文化が強く、調味料は必要に応じて店員さんにお願いする仕組みになっていることが多いです。

私もフランスで「塩が見当たらないな…」と思って店員さんに聞いたところ、ミル付きの立派なセットを持ってきてくれて、その場で挽いてくれたことがあります。
丁寧に頼むと、むしろ親切に応じてもらえる印象です。
六カ国語の例は次の通りです。
- 英語:Please give me some salt (pepper).
- スペイン語:Por favor, deme sal (pimienta).
- フランス語:Apportez-moi du sel (du poivre), s’il vous plaît.
- ドイツ語:Bitte geben Sie mir Salz (Pfeffer).
- イタリア語:Mi porti del sale (del pepe).
英語・ラテン系では「少し(some / du / del / un poco)」という表現が丁寧さを生むポイント。
ドイツ語は文が短い分、語気を柔らかくして伝えるのがコツです。
シーン2:ステーキの焼き加減を丁寧に伝えたいとき
ステーキやグリル料理の多い地域では、焼き加減の指定は必須。
ですが、「国によって“標準の焼き加減”が違う」という点が落とし穴です。
特にフランス・イタリアは、レア寄りがデフォルトの場合もあります。

ドイツで “medium” を頼んだところ、私の感覚では“ややレア寄り”だったことがあります。国によって基準が異なるというのは本当にその通りだと実感しました。
- 英語:Well-done / Medium / Rare, please.
- スペイン語:Bien hecho / Medio / Poco hecho, por favor.
- フランス語:Bien cuit / À point / Saignant, s’il vous plaît.
- ドイツ語:Durch / Medium / Englisch, bitte.
- イタリア語:Ben cotto / Cottura media / Al sangue, per favore.
英語は日本とほぼ同じ感覚で伝わりますが、ヨーロッパはレア表現に幅があり、特に saignant(フランス語) や al sangue(イタリア語) はかなりレア寄りの仕上がりになります。
初めての店では控えめに指定する方が安全です。
シーン3:急いでいるので、料理が早く出せるか確認したいとき
出張中は「あと30分でミーティングが…」といった状況も少なくありません。
そんな時こそ、急かしすぎない表現で「早めにできる料理があるか」を聞けると便利です。
一度、時間がないときに “Quickly, please!” と言ってしまい、ちょっと強い印象を与えてしまったことがあります。

それ以来「できますか?」の形で聞くようにしています。
- 英語:Can you make it quickly?
- スペイン語:¿Puede hacerlo rápido?
- フランス語:Pouvez-vous le préparer rapidement ?
- ドイツ語:Geht es schnell?
- イタリア語:Si può fare in fretta?
英語・ヨーロッパ言語ともに、「可能ですか?」の表現にすることで丁寧さが保たれます。
忙しい時間帯でも好印象につながる言い方です。
実践アクション:今日からできる練習法
味付け・焼き加減・調理リクエストは、短い言い回しこそ文化差が最も出やすいジャンルです。
六カ国語を横並びにして覚えることで、依頼の言い方・丁寧さの幅が自然に理解できます。
① 「少しだけ」を六カ国語で言えるようにする
調味料依頼・付け合わせ調整で必ず役立ちます。
- 英語:a little / some
- スペイン語:un poco / un poquito
- フランス語:un peu
- ドイツ語:ein wenig
- イタリア語:un po’
② 焼き加減の語彙を「弱→強」で覚える
レア寄り/標準/しっかり の流れで覚えると混乱しません。
- 英語:rare → medium → well-done
- スペイン語:poco hecho → medio → bien hecho
- フランス語:saignant → à point → bien cuit
- ドイツ語:englisch → medium → durch
- イタリア語:al sangue → cottura media → ben cotto
③ 「できますか?」のやわらかい依頼形をセットで練習
急いでいても柔らかく伝えられる定型文を身につけます。
- 英語:Can you 〜?
- スペイン語:¿Puede 〜?
- フランス語:Pouvez-vous 〜?
- ドイツ語:Geht es 〜?
- イタリア語:Si può 〜?
④ ステーキ注文の“マイ定型文”を作る
自分の好みに合わせた一文を作っておくと迷いません。
- 英語:Medium, please.
- スペイン語:Medio, por favor.
- フランス語:À point, s’il vous plaît.
- ドイツ語:Medium, bitte.
- イタリア語:Cottura media, per favore.
⑤ 時間がない時用の“やわらかい依頼”を準備
出張で特に役立つのはこのひとことです。
- 英語:Is there something that comes quickly?
- スペイン語:¿Hay algo que salga rápido?
- フランス語:Y a-t-il quelque chose de rapide ?
- ドイツ語:Gibt es etwas, das schnell kommt?
- イタリア語:C’è qualcosa che esce in fretta?
まとめ(学びの振り返り)
味付け・焼き加減・調理リクエストは、短いフレーズでありながら文化差・丁寧さ・ニュアンスが強く現れるカテゴリーです。
六カ国語で比較することで、その違いが立体的に見えてきます。

私も焼き加減や味付けの依頼がスムーズにできるようになってから、海外レストランでの満足度が本当に上がりました。
「ちょっとした一言」が食体験の質を変えるというのは実感しています。
今回のフレーズを押さえておけば、塩や胡椒の追加からステーキの焼き加減、急ぎの注文確認まで、幅広い状況で役立ちます。
ぜひ次の海外出張や旅行で、この六カ国語フレーズを活用して快適な食事の時間を楽しんでください。
ライター紹介Writer introduction
Tatsu / タツ 男性
海外出張歴そこそこ、語学力は“必要な分だけ頑張る派”の40代サラリーマンです。旅先でよく固まってしまう「え、これ何て言うんだっけ?」を解決するために、このブログを作りました。空港・ホテル・レストランなど、よくある場面のフレーズを 6か国語でサクッと比較 できる便利帳を目指しています。失敗談も多めですが、実体験ベースで“通じるコツ”をお届けします。



