六カ国語で聞ける!「これでいいですか/それは何ですか」確認フレーズの実用ガイド

海外出張や旅行でいちばんヒヤッとするのは、相手の言っていることがよく分からないまま「はい」と返事をしてしまう瞬間です。
特に「これでいいですか?」「それは何ですか?」といった確認フレーズは、会話の方向性を決める分かれ道。
ここを曖昧にしてしまうと、部屋のタイプを間違えたり、食事の内容を勘違いしたり、ビジネスの場面で痛い誤解を生んでしまうこともあります。

僕もヨーロッパ出張のチェックインカウンターで、スタッフに何か早口で説明されたあと「This is all right?」と言われているのに気づかず、とりあえず笑顔で「Yes… maybe」と答えてしまい、向こうも「Maybe…?」と苦笑い、という気まずい空気を味わいました。
こうした“確認のもつれ”は、語彙力や文法の問題だけではありません。
実は「確認の仕方」そのものに、国ごとの文化差が強く出ます。
ドイツ語圏でははっきり質問することが誠実さの証とされ、フランス語圏では会話のリズムを大切にしながらさらっと確認するのが自然。
イタリア語やスペイン語は柔らかい言い回しで相手の気持ちを探り、英語圏では「OK?」「all right?」のように、短い一言でテンポよく確認していくスタイルが好まれます。
この記事では、そんな「確認・質問」の中でも特に出番の多い「これでいいですか」「それは何ですか」を取り上げ、六カ国語(日本語・英語・スペイン語・フランス語・ドイツ語・イタリア語)でどう言えばいいのか、そしてどんなニュアンスで受け取られるのかをじっくり解説します。
さらに、ホテル・レストラン・現地オフィスという出張サラリーマン鉄板の3シーンをもとに、実際の会話の流れもフィクションで再現。読み終わるころには、「分からないまま笑ってごまかす」時間がかなり減っているはずです。
この記事でわかること
- 六カ国語で「これでいいですか」「それは何ですか」と確認する表現が分かる
- 英・西・仏・独・伊それぞれの確認スタイルと文化的な違いを理解できる
- ホテル・レストラン・オフィスでの具体的な会話イメージが持てる
- 今日から実践できる確認フレーズの練習方法が身につく
六カ国語フレーズのまとめ
意味:これでいいですか
- 日本語 :これでいいですか(コレデ イイデスカ)
- 英語 :Is this all right?(イズ ジス オールライト)
- スペイン語:¿Está bien?(エスタ ビエン)
- フランス語:C’est bien?(セ ビヤン)
- ドイツ語 :Ist es gut so?(イスト エス グート ゾー)
- イタリア語:Questo va bene?(クエスト ヴァ ベーネ)
意味:それは何ですか
- 日本語 :それは何ですか(ソレハ ナンデスカ)
- 英語 :What is it?(ワット イズ イット)
- スペイン語:¿Qué es eso?(ケ エソ)
- フランス語:Qu’est-ce que c’est?(ケス ク セ)
- ドイツ語 :Was ist das?(ヴァス イスト ダス)
- イタリア語:Che cosa è questo?(ケ コザ エ クエスト)
フレーズごとの使い方とニュアンス
「これでいいですか」確認の度合いを調整するフレーズ
まずは「これでいいですか」。
日本語だと、相手に最終確認をお願いする、比較的丁寧で控えめな響きがありますよね。
英語の「Is this all right?」はそれにかなり近く、サービス業でもビジネスでも安全に使える表現です。
「Is this okay?」にするともう少しくだけた感じになり、同僚どうしやカジュアルな場面向き。一方で、上司や取引先には「all right」の方が落ち着いた印象になります。
- スペイン語の「¿Está bien?」は、明るく柔らかい音で、相手の気持ちを尊重しながら確認するニュアンスが強め。語尾を下げず、すこし上げ気味にするとフレンドリーに聞こえます。
- フランス語「C’est bien?」は距離感が近い相手に使うと自然で、レストランやホテルでも耳にするフレーズですが、正式な説明の場では「C’est correct?」や「Est-ce que c’est bon comme ça?」のような少し長めの表現になることもあります。
- ドイツ語「Ist es gut so?」は、かなり“仕事モード”な響きで、「この状態で問題ありませんか?」というニュアンス。はっきり言い切る発音も相まって、相手にとっても分かりやすい確認になります。
- イタリア語「Questo va bene?」は、柔らかく、どこか余裕のある感じで、「この感じで大丈夫?」くらいの軽やかさ。ジェスチャーや表情とセットで使われることが多く、会話の雰囲気を壊さずに確認したいときにぴったりです。
「それは何ですか」知らないものを怖がらずに聞くフレーズ
次に「それは何ですか」。
英語「What is it?」は教科書でも真っ先に出てくる定番フレーズですが、実際の会話ではイントネーションで印象が大きく変わります。
フラットに言えば落ち着いた質問、語尾を少し上げれば興味を持っている感じに。ビジネスの場で、資料の中身を聞きたいときは「What is this part?」や「What does this mean?」と、指さしや文脈を足してあげるとより丁寧です。
- スペイン語「¿Qué es eso?」は、目の前のものについて素直に「それ、何ですか?」と聞くときの便利な一言。レストランでも、スーパーでも、街中の表示でも、とりあえずこれを言っておけば説明が返ってきます。
- フランス語「Qu’est-ce que c’est?」は、ネイティブも日常的に使う“万能質問フォーム”で、発音は少し難しいものの、覚えておく価値はかなり高い表現です。
- ドイツ語「Was ist das?」は、短くて発音も比較的シンプル。資料のグラフを指さして「Was ist das?」と聞くだけで、相手は必要な情報を補ってくれます。
- イタリア語「Che cosa è questo?」は丁寧寄りで、初対面の相手にも失礼なく質問できます。仲良くなってくると「Che cos’è?」と短く崩した形もよく登場します。
出張サラリーマンのシーン別会話例
シーン1:ホテルのチェックインで部屋タイプをしっかり確認(フィクション)
長時間フライトのあと、ようやくたどり着いたホテル。正直、早くシャワーを浴びて寝たい。
でも、ここで部屋タイプを間違えると、あとで地味にダメージが来ます。
英語圏のホテルでは、フロントスタッフがさらっと早口で説明したあとに「This is all right?」と聞いてくることがよくあります。
【会話例】
スタッフ:「You’ve booked a double room, seventh floor, facing the courtyard. This is all right for you?」
あなた :「It sounds good. Just to be sure, is the room quiet at night?」
スタッフ:「Yes, it’s on the quiet side of the building.」
あなた :「Great, thank you. Then it’s all right.」

最初の「It sounds good.」だけで済ませず、「念のためもう一つ質問する」のがポイントです。
ここで「What is this icon here on the paper?」のように、朝食やWi-Fiのマークを指さして確認してもいいですね。
「What is it?」をセットで使えると、誤解をかなり減らせます。
シーン2:レストランで謎のメニューの正体を聞き出す(フィクション)
ヨーロッパ出張の楽しみのひとつが、現地のレストランで食べるローカル料理。
でも、メニューに書いてある料理名がさっぱり分からない、というのはあるあるです。
スペイン語圏やフランス語圏では、知らない料理を指さして「それは何ですか?」と聞くのは、ごく自然な行動。
むしろ質問した方が、店員さんも張り切って説明してくれることが多いです。
【会話例】
あなた:「Perdón, ¿qué es eso?」
店員 :「Es pescado con una salsa tradicional de la región.」
あなた :「Vale, suena bien. Entonces, uno de eso por favor.」
フランス語圏なら、同じように「Qu’est-ce que c’est?」とメニューを指さして聞けばOKです。説明を聞いてみて「うーん、ちょっと違うな」と思ったら、「Merci, alors je vais prendre ceci à la place.(ありがとうございます、では代わりにこちらにします)」のように、さらりと切り替えれば角は立ちません。
「聞いたら絶対それを頼まなきゃいけない」と思う必要はないので、怖がらずにガンガン質問していきましょう。
シーン3:現地オフィスで資料と数字の意味をズバッと確認(フィクション)

ビジネスの現場では、「聞き返すこと」「確認すること」がそのまま信頼につながります。
特にドイツ語圏や北ヨーロッパでは、分からないまま黙っていることの方がよほどマイナス評価になりがちです。
会議室でプロジェクターに映し出された資料を見ながら、気になる数字やマークをそのまま放置しておくと、あとからメールで「あの数字は何の意味でしたか?」と聞き直す羽目になり、お互いに二度手間になります。
【会話例】
同僚 :「So, we’ll change this part from July. Ist es gut so?」
あなた:「Basically yes, it’s all right. But what is this number here under Q3?」
同僚 :「That’s the revised forecast for the new project.」
あなた:「Alles klar. Then it’s all right for me.」
このように、「Is this all right?」に対してただ「Yes.」と答えるのではなく、「気になるポイントをセットで聞く」ことで、相手からも“ちゃんと理解しようとしている人”として信頼されます。
「Was ist das?」「What is it?」が自然に使えるようになると、会議の充実度そのものが変わってきます。
実践アクション:今日からできる練習法

確認フレーズは短いので、少しの工夫で毎日の生活に簡単に組み込めます。
まずおすすめなのは「一人ロールプレイ」。
自宅や通勤中に、頭の中でホテル・レストラン・オフィスのシーンを軽くイメージしながら、「Is this all right?」「¿Está bien?」「C’est bien?」「Was ist das?」など、今回紹介したフレーズを順番に声に出してみてください。1セット1分もかからないので、習慣化しやすいはずです。
次に、スマホで海外のホテルレビューやレストランの動画を見ながら、「今この場面で自分なら何を確認するか?」を考え、実際に口に出してみる練習も効果的です。
画面を止めて、「えーと、この説明のあとに C’est bien? って聞けるな」「ここは What is this? で聞いておこう」などと、自分なりの“確認のセリフ”を作っていくと、本番でスッと出てきやすくなります。
最後に、メールやチャットでも確認フレーズを意識してみましょう。
英語メールで「Is this all right for you?」や「Could you tell me what this means?」といった表現をあえて使ってみると、口頭の会話でも同じフレーズが出やすくなります。口・耳・目・指(タイピング)を連動させて覚えることで、定着スピードは一気に上がります。
まとめ(学びの振り返り)
「これでいいですか」「それは何ですか」という確認フレーズは、海外でのコミュニケーションの“安全装置”のような役割を果たします。
六カ国語でこの2つのフレーズを言えるようになるだけでも、ホテルでの手続き、レストランでの注文、オフィスでの打ち合わせが驚くほど楽になりますし、「分からないまま笑ってごまかす時間」をぐっと減らすことができます。

大事なのは、完璧な文法よりも「きちんと確かめようとする姿勢」です。
相手に伝わるのは、言語そのものよりも“ちゃんと確認したい”という意思。今回のフレーズを少しずつ口に出しながら、自分なりの確認スタイルを作っていきましょう。
次に海外に出たとき、「あのとき練習しておいてよかった」と思える場面がきっと来るはずです。
ライター紹介Writer introduction
Tatsu / タツ 男性
海外出張歴そこそこ、語学力は“必要な分だけ頑張る派”の40代サラリーマンです。旅先でよく固まってしまう「え、これ何て言うんだっけ?」を解決するために、このブログを作りました。空港・ホテル・レストランなど、よくある場面のフレーズを 6か国語でサクッと比較 できる便利帳を目指しています。失敗談も多めですが、実体験ベースで“通じるコツ”をお届けします。



