六カ国語で言える!「はい・いいえ・よろしい・丁寧な断り」の基本返答フレーズ集

海外出張や旅行の最初の壁は、実は長い会話ではなく「はい」「いいえ」「よろしいです」「いや、いいんですよ」といった“超短い返事”です。
どれも日本語では自然に使えますが、六カ国語となると、表現が変わるだけでなく“ニュアンスの強さ”や“丁寧さの度合い”が大きく異なります。慣れないうちは「Yes.」とだけ答えて相手が少し戸惑ったり、「No.」と言って必要以上に強く聞こえてしまったり……。

僕も、ヨーロッパ出張でホテルスタッフに「Do you need any help?」と聞かれ、とっさに「No.」と短く返してしまい、向こうが「あ、そうですか……」と微妙な表情になったことがあります
あとで「No, thank you.」と言うだけで全然違うんだと気づき、かなり後悔しました。
六カ国語(英語・スペイン語・フランス語・ドイツ語・イタリア語)はそれぞれ文化背景が異なり、返事の仕方も「言葉」より「態度や聞こえ方」が重要になることが多いです。
たとえば英語では「Yes」はストレートで強い肯定、スペイン語の「Sí」は明るい響き、フランス語の「Oui」は落ち着いた肯定、ドイツ語「Ja」ははっきりとした確認、イタリア語「Sì」は柔らかくフレンドリーな印象があります。
「いいえ」はさらに違いが大きく、英語の「No」は冷たく響きやすい、フランス語の「Non」は鼻音でニュアンスを調整できる、ドイツ語「Nein」はかなり強く聞こえるなど、知っておくとトラブルが減るポイントが多いのです。
また、日本語独特の「いや、いいんですよ」という“やんわり断る”表現に該当するフレーズは、直訳すると失礼に聞こえることがあります。
英語では「No, thank you.」「I’m good.」、スペイン語「No, gracias.」、フランス語「Non, merci.」、イタリア語「No, grazie.」など、“否定+ありがとう”が海外では標準的な丁寧表現です。
この記事では、「はい」「いいえ」「よろしい」「いや、いいんですよ」の四つの基本返答フレーズを六カ国語で自然に言えるようにするための解説と、出張サラリーマンのシーン別に“どう返すとスムーズか”をまとめました。
短い言葉を上手に使うだけで、会話全体の雰囲気が驚くほど変わります。
この記事でわかること
- 六カ国語で「はい/いいえ/よろしい/丁寧な断り方」を自然に使えるようになる
- 各言語の返答に対する文化的・ニュアンス的な違いが理解できる
- 実際の出張シーンで使える返答パターンを身につけられる
- 明日から使える返答のトレーニング法がわかる
六カ国語フレーズのまとめ
意味:はい
- 日本語 :はい(ハイ)
- 英語 :Yes.(イェス)
- スペイン語:Sí.(シー)
- フランス語:Oui.(ウィ)
- ドイツ語 :Ja.(ヤー)
- イタリア語:Sì.(スィ)
意味:いいえ
- 日本語 :いいえ(イイエ)
- 英語 :No.(ノウ)
- スペイン語:No.(ノ)
- フランス語:Non.(ノン)
- ドイツ語 :Nein.(ナイン)
- イタリア語:No.(ノ)
意味:よろしい/問題ありません
- 日本語 :よろしいです(ヨロシイデス)
- 英語 :All right.(オールライト)
- スペイン語:Está bien.(エスタ ビエン)
- フランス語:D’accord.(ダコール)
- ドイツ語 :In Ordnung.(イン オルドヌング)
- イタリア語:Va bene.(ヴァ ベーネ)
意味:いや、いいんですよ(丁寧な断り)
- 日本語 :いや、いいんですよ(イヤ、イインデスヨ)
- 英語 :No, thank you.(ノウ サンキュー)
- スペイン語:No, gracias.(ノ グラシアス)
- フランス語:Non, merci.(ノン メルシー)
- ドイツ語 :Nein, danke.(ナイン ダンケ)
- イタリア語:No, grazie.(ノ グラツィエ)
フレーズごとの使い方とニュアンス
はい:もっとも誤解されやすい短い肯定
日本語の「はい」は、肯定・相づち・聞いていますのサインなど多用途ですが、英語圏では相づちとして「Yes」を連打するのは不自然です。
会話中の相づちは「I see」「Right」「Uh-huh」が一般的で、「Yes」は“はっきり肯定”に使われます。
- スペイン語の「Sí」は明るく肯定的で、声のトーンだけで柔らかい印象になります。
- フランス語「Oui」は上品で落ち着いた響きがあり、ビジネスでも安心して使えます。
- ドイツ語「Ja」ははっきりしており、意見を明確に伝えたい場面で有効です。
- イタリア語「Sì」は柔らかく、笑顔とセットにすると最も自然に聞こえます。
いいえ:言語によって“強さ”が大きく異なる否定
「いいえ」は日本語では柔らかい拒否にも使えますが、英語の「No」はかなり強い拒否に聞こえることがあります。
「No, thank you.」にするだけで印象は劇的に変わります。
- スペイン語「No」も強めなので、「No, gracias.」が丁寧。
- フランス語「Non」は鼻音で柔らかく表現でき、語尾を上げると優しい印象になります。
- ドイツ語「Nein」は直線的で強い音のため、あえて丁寧に「Nein, danke.」とするのが無難です。
- イタリア語「No」も短くはっきりしていますが、「No, grazie.」と笑顔で返せば柔らかい拒否になります。
よろしい:軽い承認から丁寧な同意まで幅広いフレーズ
英語の「All right.」は日本語の「よろしいです」「大丈夫です」に最も近い表現で、カジュアルかつ中立的な承認です。
- スペイン語「Está bien」は“OKです”の万能フレーズ。
- フランス語「D’accord」は“了解”という軽い肯定で、会話のテンポを壊さない便利な言葉です。
- ドイツ語「In Ordnung」はフォーマル寄りで、“整っている=問題なし”という意味合いがあり、ビジネス文脈で安定感があります。
- イタリア語「Va bene」は非常に柔らかく親しみやすく、提案を前向きに受け入れるニュアンスがあります。
いや、いいんですよ:日本語特有の“遠慮した丁寧な断り”
「いや、いいんですよ」は相手の好意を受けつつ“やんわり断る”日本語らしい表現。
これを直訳すると海外では不自然なので、
- 英語なら「No, thank you.」「I’m good.」
- スペイン語「No, gracias.」
- フランス語「Non, merci.」
- ドイツ語「Nein, danke.」
- イタリア語「No, grazie.」
と、“否定+ありがとう”が基本形となります。
相手に不快感を与えず、距離を適度に保ちながら断るための定番フレーズです。
出張サラリーマンのシーン別会話例
シーン1:ホテルのチェックインで返事を的確に使い分ける(フィクション)
海外ホテルのチェックインは、初手から「はい/いいえ/よろしい/丁寧な断り」のオンパレードです。
フロントは早口、説明は長い、こちらは疲れている。
そんな中、短い一言のニュアンスがズレると、部屋の条件やサービスの内容に思わぬ誤解が生まれます。
【会話例】
スタッフ(英語):「Your room is on the 8th floor, with breakfast included. Is that all right?」
あなた:「All right, thank you.」
朝食が不要な場合は、

あなた:「No, thank you. I don’t need breakfast tomorrow.」
さらに、フロントスタッフが提案してくるオプション(アップグレード、レイトチェックアウトなど)への返し方も重要です。
スタッフ:「Would you like to add late check-out?」
あなた:「No, thank you. I’m good.」
ここで「No.」だけだと“突っぱねた”印象を与えてしまうため、軽い否定+感謝が鉄板です。スペイン語圏なら「No, gracias.」、フランス語圏なら「Non, merci.」と返すだけで、丁寧な拒否になります。
一方、プラン内容の確認をする場合は「はい」を明確に伝える必要があります。英語圏では「Yes」だけでなく、「Yes, that’s right.」「Exactly.」のように、肯定の強度を上げる表現も効果的。ドイツ語「Ja, genau.(はい、その通りです)」は特に正確性が求められる場で役に立ちます。
シーン2:レストランで注文や店員とのやり取りをスマートにこなす(フィクション)
レストランは“短い返事の実践練習場”のような場所です。
メニュー説明、注文確認、飲み物のおすすめなど、とにかく「はい/いいえ/よろしい/遠慮する」を使う場面が多いのです。
【会話例】
店員(フランス語):「Vous voulez de l’eau?(お水はいかがですか?)」
あなた:「Oui, merci.」
ワインの試飲を勧められたとき:
店員:「Would you like to try this wine?」
あなた:「No, thank you. I’m fine for now.」
スペイン語圏だと、軽い提案に対して「Sí」だけだと前のめりに聞こえる場合があります。そのため、
あなた:「Sí, está bien.(はい、大丈夫です)」
のように“柔らかい肯定”を加えると雰囲気がよくなります。
また、料理が運ばれてきたあと、店員が
店員:「Everything all right?(問題ないですか?)」
と確認してくるパターンも多いです。ここでの返しは、
あなた:「All right, thank you.」
イタリア語圏なら、
あなた:「Va bene, grazie!」
こうした返事がスムーズに出てくると、店員との距離が一気に縮まり、サービスの質も自然と上がります。逆に、何か気になる点がある場合は「Yes」を使わず、

あなた:「Actually, I have a small question.(実は少し質問がありまして)」
のように前置きを入れることで、丁寧に問題点を伝えられます。
シーン3:現地オフィスで同僚とのコミュニケーションを円滑にする(フィクション)
オフィスは、短い返事で「理解しているか」「承認したか」「断ったか」を瞬時に伝える必要がある場です。ここで返事のニュアンスを誤ると、仕事の進行に影響が出ることもあります。
【会話例】
同僚(ドイツ語):「Können Sie diese Datei überprüfen?(このファイルを確認できますか?)」
あなた:「Ja, natürlich.(はい、もちろん)」
一方、どうしても時間がないときは、
あなた:「Nein, danke. Ich habe eine andere Aufgabe jetzt.(すみません、今は別の作業があるんです)」
英語圏では、断るときの典型表現は、
あなた:「No, thank you. I’m good for now.」
また、上司から提案を受けて「よろしい」と伝えたい場面では、
あなた:「All right, sounds good.」
スペイン語圏なら、
あなた:「Está bien, gracias.」
フランス語圏では、
あなた:「D’accord, merci.」
イタリア語の「Va bene」は極めて柔らかく、好意的に聞こえるので、交渉場面でも適度な前向きさを伝えられます。
そして日本語特有の「いや、いいんですよ」に該当する場面——たとえば相手が“部屋まで案内しましょうか?”と過剰に気を遣ってきた時などは、
あなた(英語):「No, thank you. I can handle it.」
あなた(伊語):「No, grazie. Va tutto bene.(いいえ大丈夫です)」
丁寧に断りつつ相手の好意は受け取る、そんな絶妙な距離感を作ることができます。
実践アクション:今日からできる練習法
① 返事の「強さ」コントロール練習
Yes/No はトーンで意味が変わるため、鏡の前で声の強さを変える練習が効果的です。
「Yes.(強め)」「Yes, that’s right.(柔らかい肯定)」のセット練習が特に有効。
② “否定+感謝”のワンセット化
海外では断るときに「No, thank you.」が最も自然。
スペイン語「No, gracias.」、フランス語「Non, merci.」など、5言語分をまとめて口に出す練習が手っ取り早いです。
③ オフィス想定ロールプレイ
「提案を受け入れるパターン」「やんわり断るパターン」を10秒で切り返す練習を通勤中にやると、本番で迷いません。
④ “よろしい”系フレーズのバリエーション化
All right/D’accord/Va bene などを、肯定の強弱を変えながら声に出してみてください。
会話のテンポが良くなります。
まとめ(学びの振り返り)
「はい」「いいえ」「よろしい」「いや、いいんですよ」といった短い返事は、海外でのコミュニケーションにおいて“基礎体力”のような存在です。
六カ国語でこれらを自然に使い分けられるようになると、ホテルのチェックインからレストラン、現地オフィスの業務まで驚くほどスムーズになり、相手からの信頼感も生まれやすくなります。

最も大事なのは、単に単語を覚えることではなく、その場の空気に合った言い方を選ぶこと。
否定を柔らかくする、肯定をはっきり伝えるなど、小さな調整が会話全体の印象を変えます。
次に海外へ出るときは、この記事で学んだ返事フレーズをぜひ試してみてください。
短い一言が、あなたのコミュニケーションを確実に“前へ進めてくれる”はずです。
ライター紹介Writer introduction
Tatsu / タツ 男性
海外出張歴そこそこ、語学力は“必要な分だけ頑張る派”の40代サラリーマンです。旅先でよく固まってしまう「え、これ何て言うんだっけ?」を解決するために、このブログを作りました。空港・ホテル・レストランなど、よくある場面のフレーズを 6か国語でサクッと比較 できる便利帳を目指しています。失敗談も多めですが、実体験ベースで“通じるコツ”をお届けします。


